社長と若手社員が語り合う北海道電力の今と未来自分が考える「ほくでん力」とは?(前編)
今年度、北海道電力では経営層と若手社員が将来の会社のあるべき姿をともに考える機会として、齋藤社長と若手社員との座談会を実施しています。
当社では、電力のプロフェッショナルとして培ってきた安定供給に対する責任感・使命感、技術・ノウハウを結集させることで発揮される力を「ほくでん力」と呼び、独自の強みとして様々な事業に活かしています。
今回は、様々な部署の若手社員が集まり、社長と共に「ほくでん力」について考え、当社のあるべき姿を語り合いました。
座談会に参加した若手社員
荒川 絢斗さん(火力部):火力発電所の工事管理業務を担当
鎌田 純平さん(総合エネルギー事業部):大規模工場などの営業窓口を担当
武内 友輝さん(水力部):水力発電所のリプレース工事設計を担当
日野浦 佑一さん(販売/室蘭支社):総括主任として法人営業全般を担当
奈良 翔太さん(原子力事業統括部):泊発電所の審査で耐震評価を担当
鎌田 梢さん(情報通信部):DX推進のためデジタル人材の育成を担当
林 潤さん(広報部):今回の座談会のファシリテーター
※今回の記事(前編)では、荒川さん、鎌田純平さん、武内さんの考える「ほくでん力」を掲載します。
座談会の目的・・・
齋藤社長 はじめに、この座談会の目的についてお話します。社員の皆さんには、「この会社に入ってよかった」と思ってもらえるようにしていきたいと考えています。それは、熱意を持って仕事に向き合い、やり遂げることで、良い成果につながると考えているからです。皆さんが生き生きとした姿で仕事をすることで、外から見たほくでんがより魅力的に映り、地域とのつながりも強くなるものと信じています。
今後の経営の方向性を考えていくにあたり、若手社員の皆さんの思いも反映させるべく、今日は思っていることや感じていることを率直にお話ししてほしいと思います。「明るく、楽しく、前向きに」活発な議論をしていきましょう。
電力安定供給に対する「熱意」
荒川さん 私が考える「ほくでん力」は、「電力安定供給に対する『熱意』」です。私は火力部で火力発電所の工事管理業務を担当しています。私たちは、責任あるエネルギー供給の担い手として、日々の業務にあたっており、その中で責任感、使命感、技術力、ノウハウが重要であると考えています。それらの根本を支えるのが、電力の安定供給に対する「熱意」です。
最も印象に残っている経験は、2018年に発生した北海道胆振東部地震によるブラックアウト(北海道全域の停電)です。ブラックアウトからの復旧にあたっては、社内外問わず、多くの関係者が発電所の早期復旧を目指して対応にあたりました。当日は、様々な分野の知識を持つスペシャリストが一つの目標に向かって熱意を持って力を合わせることで、すさまじい力を発揮できるということを体験した瞬間でした。
鎌田梢さん 荒川さんが経験したブラックアウトの対応などを聞いて、その言葉から電力の安定供給に対する思いがにじみ出ていて、パッションというか、その熱意がダイレクトに伝わってきました。
日野浦さん ほくでんに入社する際、多くの方が「北海道を支えたい」という気持ちで入っていると思います。荒川さんのお話は、まさにその気持ちを表していると感じました。
荒川さん 仕事では「会社対会社」の対応が基本ですが、その大元には「人対人」があって初めて成り立っていると思います。「人は理で動かず情で動く」という有名な言葉がありますが、私は「人を動かすのは熱意」との思いから、電力の安定供給に対する熱意を大切に業務にあたっています。
齋藤社長 荒川さんが「熱意」を持って対応することで、素晴らしい結果を実現できたのだと思います。引き続き、熱意の炎を消すことなく、いつまでも持ち続けて仕事にあたってください。
お客さまのニーズを把握し、
最適なソリューションを構築する力
鎌田純平さん 私が考える「ほくでん力」は、「お客さまのニーズを把握し、最適なソリューションを構築する力」です。私は総合エネルギー事業部で大規模工場などの営業窓口を担当しています。総合エネルギー事業部では、お客さまと接する機会が多く、その中でお客さまは非常に多岐にわたるニーズを持っていると感じています。それらのニーズに可能な限りお応えし、短期間で当社の収益に繋げていくためには、3つのステップを意識して業務にあたっています。
1つ目は、「既往情報の蓄積」です。これは、すなわち現状の把握で、当社はもちろん、お客さまがこれまでやってきたことをしっかり把握して、その傾向や法則を捉え、改善点が無いか考えるようにしています。
2つ目は、「新規情報の取得」です。お客さまにとって今後変化を生じさせる要素や環境の変化を予測し、判断基準をタイムリーに変えながら対応するようにしています。
3つ目は、「最適解の具現化」です。既往情報や新規情報で得たデータを活かし、サービスや仕組みをお客さまへご提供できて初めてお客さまのニーズにお応えすることができたと考えています。
今ご紹介した3つのポイントを磨き続け、引き続き「お客さまに選んでいただける会社」を目指していきたいと思います。
鎌田梢さん お客さまのニーズについて、的確に把握するために心がけていることや工夫していることはありますか?
鎌田純平さん 私が気を付けているのは、定量的な情報・データに基づく説明をすることです。十分な情報が無いと、お客さま側で「今すぐやる必要があるのか?」といった否定的な結論に至ってしまう可能性があるので、お客さまに対し定量的なデータを示すことで、対応のきっかけにすることを意識しています。
齋藤社長 お客さまのニーズに応え続けるというのは、非常に重要かつ大変なことです。今のお話で非常に良かったことが、「定量的なデータに基づくお客さまへのご説明」です。当社ではDXなどを担当する情報通信部(鎌田梢さん所属)があるので、定量的なデータを用いた対応はDXを活用することで、お客さまへより魅力的なご提案ができるかもしれません。また、多様化するお客さまのニーズについて、お客さまへ脱炭素につながるご提案ができるのも当社の強みです。当社では様々な部署が脱炭素への取り組みを行っており、様々な部署と連携することで、お客さまに対し、より魅力的なご提案ができないか考えてみてください。
水力発電所を広く深く把握する総合力
武内さん 私が考える「ほくでん力」は、「水力発電所を広く深く把握する力」です。私は水力部で水力発電所のリプレース工事設計を担当しています。このテーマは、私が考える水力部の強みであり、目指すべき人材の姿です。
水力部では、機械・電気担当、保守・工事担当など、担当部署が分かれておらず、一人ひとりが水力発電所全体を担当しています。そのため、普段の業務では水車や発電機のほか、変電設備、水の運用や送電系統の知識などの幅広い知識が必要となります。
当社のように発電所の業務を全般的に担当する会社は、全てのことを網羅的に把握する点においてメリットがあると考えています。工事は効率的に進め、運用では安定的に発電し、保守性の良い発電所であることが理想的です。これらの最適解を求めるには、発電所全体を把握する総合力が必要と考えます。
この、「全てのことを網羅的に把握する力」は、荒川さんのお話とも一致しますが、まさに「技術力」です。何かにチャレンジする際も、根本には「技術力」が必要不可欠であると考えます。
鎌田梢さん 私は水力部のDXを担当しているので、普段は無人の水力発電所を守っていくには、総合力が重要であることがよくわかりました。総合力を養うためには人材育成が必要ですが、水力部では、部門独自の人材育成はどのようにしているのでしょうか?
武内さん 水力部門では、水車や発電機について学ぶ集合研修や複数の現場の部署が合同で研修を行い、理解を深めています。また、私の部署では、水力発電所の設計理論を学ぶ研修を受けておりますが、設計理論はあらゆる業務の上流側にある知識を身につけることができるので、総合力を養うことができると思っています。いずれにしても、総合力を養うためには「広く深く知ろうとする力」、つまり学びへの熱意が大切だと思います。
齋藤社長 「広く深く把握する総合力」が水力部門の強みであり、人材力であるというお話を聞いて、とても感動しました。また、人材育成の話題では、「広く深く知ろうとする力」が重要とお話されていましたが、熱意を持って知ろうとすることがとても重要で、これは水力部の非常に良い文化です。それぞれの部門で良い文化があると思いますので、引き続き伸ばしてほしいと思います。
様々な部署の若手社員が集まり、社長と意見を交わすことで、北海道電力の将来を考える「社長と若手社員との座談会」。後半は、販売推進部門、原子力事業統括部門、情報通信部門の社員が登場します。次回もお楽しみに!