野球を通じて地域を活性化したい! 北海道フロンティアリーグ(HFL)と地域共創に取り組む
現場で活躍する北海道電力の中堅・若手社員にフォーカスをあてた連載企画「MISSION」。第2回目は野球を通じて地域との共創を進める社員を紹介します。
山田 鉄也 Yamada Tetsuya
2005年北海道電力入社。主に立地・用地部門で発電所立地や送変電・通信設備の用地取得業務を担当。社内公募を通じて2024年4月に事業共創推進室に異動し、非エネルギー分野における北海道のポテンシャル活用と、さまざまな社会課題の解決を果たすべく、日々奔走している。
非エネルギー分野の可能性を信じ、社内公募へ
―山田さんが所属する「事業共創推進室」とはどのような部署ですか?
私が所属する事業共創推進室は、電力会社が担うエネルギー分野という枠組みから少し離れ、非エネルギー分野での成長を目指していこうとして作られた組織です。
北海道には農林水産業や観光、宇宙産業に至るまで、様々なポテンシャルがあります。そうした北海道が持つポテンシャルを最大限に活かしながら、エネルギー分野にとどまらず、様々な分野における社会課題の解決に資する事業をしていこうというのが目的です。
そしてそれを具体化する組織として2023年11月に当室が新設されました。
―そこに人事異動で配属となったのですか?
実はこの部署の新設後、組織拡大のために社内公募がありました。当社は、今ももちろんメインの商品である電気を売る会社ですし、数年前からガス販売もしています。一方で電力自由化での競争の激化や再エネ拡大、更にはお客さまニーズが多様化するなかで、エネルギー分野に限らず、新たな事業領域を拡大していくという会社メッセージが発せられました。私はそのメッセージに共感し、今まで全く経験したことはありませんが、社内公募※に応募し、挑戦することにしました。
※社内公募制度・・各部門から申請された案件の中から社内公募するに相応しいと判断されたものについて、業務内容・募集人数・要件などの条件を「求人情報」として明示し、全社から広く適任者を募集する制度。
―不安はありませんでしたか?
私の職歴は立地・用地部門(発電所や送変電・通信設備の設置に係る地域対応や用地確保の仕事)が長く、地元自治体や地権者の方からお話しを聞く中で、地域が様々な課題を抱えていることや、課題解決に対する当社への期待を感じていました。もちろん、未経験の業務に対する不安はありましたが、この仕事に意義を感じ、意欲的に取り組んでいます。
野球と地域共創
―そうして取り組む仕事のひとつが、野球と地域共創ですか?
そうです。北海道のプロ野球独立リーグである「北海道フロンティアリーグ(以下、HFL)」は、野球の持つ魅力を最大限活用し、北海道への移住定住促進や地域の賑わい創出等に貢献する素晴らしい活動をしています。北海道の社会課題解決に向けて一緒に取り組みたいと考え、2024年7月に地方創生に関する連携協定を結びました。
―そもそもHFLとは何ですか?
HFLは2022年に公式戦を開始したプロ野球独立リーグで、2024年シーズンは美唄市・石狩市・士別市の3チーム※が合計78試合の公式戦を行いました。2025年シーズンには更に別海町の「別海パイロットスピリッツ」が加わります。
選手の多くはチームが所在する地域の企業で働きながら野球に打ち込む多忙な生活を送っています。そして多忙な環境でも野球選手として活動したい選手が全国から集まっており、現在の所属選手約80名のうち、50~60名程度は道外出身者です。人口減少・労働力不足が各地で課題となっているこの時代に、実際にこれだけの数の働き手を北海道に呼び込んでいるのです。
さらには、各チームは小中学校の部活動の地域移行の受け入れ組織として活動しており、子供達の教育にも貢献しています。これはいわばスポーツを通じた地域活性化の取り組みです。
※石狩レッドフェニックス、美唄ブラックダイヤモンズ、KAMIKAWA士別サムライブレイズ
ほくでんが支援する意義とは
―ほくでんが連携協定を締結し、協力していく理由は何ですか?
当社は、「北海道の発展こそがほくでんグループの事業基盤になる」との認識に立ち、社会課題の解決や経済の発展に向けて地域の皆様と共に新たな価値を作り上げる「共創」の取り組みを進めていますが、HFLの取り組みはまさに共創です。HFLの発展は北海道に好影響を与えるものと考えています。
―具体的にはどのような協力ですか?
まずは、HFLについて広く知っていただくためのPRに寄与できればと考えており、社内各部の協力を得て、当社ホームページやSNS等を活用した発信を行っています。
イベントとしては、2024年の8月に、HFLが初めて札幌円山球場で開催する公式戦を「ほくでん×HFL共創パートナー記念DAY」と銘打ち、当社のコーポレートキャラクターエネモがグランドでパフォーマンスをするなど、盛り上げにひと役買いました。
―手ごたえはどうですか?
各球団のファンの皆さまは「おらがチーム」の意識が強く、熱心に応援されています。そうしたファンの皆さまにも「ほくでんが応援している」姿を好意的に受け止めていただき、喜んでいただいている実感があります。ファンの皆さんの熱量を原動力に、HFLは更に盛り上がっていくと信じていますし、当社も一緒に盛り上げていきたいと考えています。
さらにHFLを盛り上げよう!
―今後さらにHFLを盛り上げていくアイデアはありますか?
HFLの更なる発展にはチーム数を増やすことが重要です。2025年シーズンから新規参入する別海のほかにも、興味を示している地域があると聞いています。新規参入を後押しするためにはリーグ全体の知名度を上げていくことが大事で、私どももSNSや様々な媒体を使ってPRしていきたいと思っています。例えば、まだアイデアベースではありますが、エスコンフィールドで試合が実現できればいいなと構想を練っているところです。
―最後に今後の抱負をお願いします。
HFLとの連携を通じて蒔いた種が実り、当社が目指す共創の実現する未来を想像するとワクワクします。魅力たっぷりな北海道のポテンシャルを活かした共創が実現できるよう、知恵を絞って、いろいろな方々の知恵をお借りして、楽しみながら取り組んでいきたいと思います。
※冒頭の写真は美唄ブラックダイヤモンズのスペシャルアンバサダーを務める岩本勉氏とのツーショット