社長と若手社員が語り合う北海道電力の今と未来 自分が考える「ほくでん力」とは?(後編)
今年度、北海道電力では経営層と若手社員が将来の会社のあるべき姿をともに考える機会として、齋藤社長と若手社員との座談会を実施しています。
当社では、電力のプロフェッショナルとして培ってきた安定供給に対する責任感・使命感、技術・ノウハウを結集させることで発揮される力を「ほくでん力」と呼び、独自の強みとして様々な事業に活かしています。
<第1回目(前編)の記事はこちら>
今回は、若手社員自身が考える「ほくでん力」についての座談会後半の様子をお届けします。
座談会に参加した若手社員
荒川 絢斗さん(火力部):火力発電所の工事管理業務を担当
鎌田 純平さん(総合エネルギー事業部):大規模工場などの営業窓口を担当
武内 友輝さん(水力部):水力発電所のリプレース工事設計を担当
日野浦 佑一さん(販売/室蘭支社):総括主任として法人営業全般を担当
奈良 翔太さん(原子力事業統括部):泊発電所の審査で耐震評価を担当
鎌田 梢さん(情報通信部):DX推進のためデジタル人材の育成を担当
林 潤さん(広報部):今回の座談会のファシリテーター
※今回の記事(後編)では、日野浦さん、奈良さん、鎌田梢さんの考える「ほくでん力」を掲載します。
“変革力”
日野浦さん 私が考える「ほくでん力」は、「変革力」です。私は室蘭支社で販売業務を担当しています。私の考えたテーマの真意は「北海道、そして日本を変え得るポテンシャルを持った変革力」です。このように考えた背景について、業務経験を踏まえて3つのポイントをご説明します。
1つ目は「北海道での信頼や実績」です。これは、会社の諸先輩が積み上げてきた財産で、お客さまの中には、「やっぱり北電さんだよね」と言っていただける方がいらっしゃり、このような関係性を構築できていることは強みだと感じています。
2つ目は、信頼や実績を背景として、「北海道のなかで様々な事に挑戦できる会社」であることです。私は販売業務を担当していますが、お客さまへのご説明時にはほとんどの方が真摯に自分の話を聞いてくれます。これは、お客さまとの信頼関係があってこそ成り立つものであり、お客さまからの信頼を前提に、様々なことに挑戦できる会社だと思っています。
3つ目は、「『もっと会社を良くしたい』と考える社員が多いこと」です。私の勤務する室蘭支社では、管理職が若手の挑戦に対して「いいね」という姿勢で後押ししてくれる環境で、現状をより良くしたいという社員の雰囲気を感じています。
最後に、お客さまと接する機会が多い販売部門の各支社は「会社の顔」だと思っています。特に、若手から「会社を良くしていきたい」という声を上げることで、会社を変え、北海道、そして日本を変えていけるように仕事をしていきたいと思います。
武内さん 物事を「変革」するにはさまざまな視点が必要と思いますが、新しい視点を取り入れるために意識して取り組んでいることはありますか?
日野浦さん まず、お客さまが「何を求めているのか」を聞くように心がけています。お客さまからニーズを聞き出すためには、信頼いただくことが重要なため、いかに信頼関係を構築するか意識して業務にあたっています。
齋藤社長 「販売部門は会社の顔」と、誇りを持って働いているのは、とても素晴らしいです。また、「会社から北海道、日本を変えていく」という気概を聞くことができて、嬉しい気持ちになりました。
信頼される力
奈良さん 私が考える「ほくでん力」は、「信頼される力」です。私は泊(原子力)発電所の再稼働を目指し、国の審査(新規制基準適合性審査)対応を担当しています。その中で、耐震の観点から泊発電所の安全性について国(原子力規制委員会や原子力規制庁)へ説明しています。
原子力規制委員会の審査は、「審査会合」と呼ばれており、その様子はYouTubeでリアルタイムに公開されます。そのため、一般の方に対しても、泊発電所の安全性についてご理解いただけるよう信頼性の高い説明が求められます。
そこで重要になってくるのが「信頼される力」です。これは、物事を円滑に進めていくうえで重要な力であり、コミュニケーションによって築き上げていくものだと考えています。また、技術者が「信頼される」ためには、態度や姿勢だけでなく、知識・技術力も必要です。この点は私の所属する原子力事業統括部のみならず、他の部門にも共通するものであり、先輩社員によって築き上げられてきた信頼を、若手社員にも継承していかなければならないと思います。
鎌田純平さん 奈良さんが普段の業務をする中で、「信頼されている」と感じる場面はどのような時でしたか?また、「信頼される力」をより向上させるために取り組んでいることがあれば教えてください。
奈良さん 昨年の「審査会合」で、自分が担当する泊発電所の耐震に関する分野について説明し、国(原子力規制委員会)から大きな指摘事項が無かった時です。ここに至るまでには、国とのやり取りを10回以上も重ね、疑問点などを解消していきました。その中で特に重要だと感じたのは、「聞かれたことに対して即答できる知識・技術力の必要性」です。国の担当官からの質問に対して即答できる技術力があることで、信頼にもつながると感じたので、必要な知識をしっかりと習得したうえで審査に臨むよう心がけています。
齋藤社長 先ほどの日野浦さんのお話で、「変革の根本に信頼がある」と説明されていますが、奈良さんのお話にも共通することで、これが「ほくでん力」であると私も思っています。様々な方から信頼いただける「ほくでん」はこれまでの先輩社員が築き上げてくれたものですが、これからは皆さんが築き上げていく番です。信頼をつなげていくことで、新たな変革やチャレンジができ、良い会社になっていくものと思っています。
既存領域と変革領域
双方へのDXの取り組み
鎌田梢さん 私が考える「ほくでん力」は、「既存領域と変革領域 双方へのDXへの取り組み」です。私は情報通信部でDX推進のためのデジタル人材の育成を担当しています。まず、このテーマを設定した背景について説明します。
まず、「既存領域」というのは、現在の当社の主力事業である電力供給に伴う業務領域です。DXに対しては、業務効率化はもちろんですが、現在やっている業務のやり方を変革していくという事例もあると考えています。
具体的事例として、現在私は水力部門におけるDX施策の推進を担当していますが、水力発電所の中には、携帯電話の電波が届かないような山奥にあり、発電所を管理する事務所からも距離がある場合があります。そのような状況の中でも工事や保守点検を実施しなければならないので、最新の衛星通信の技術を活用し対応しようとしています。
一方で、「変革領域」についてですが、非エネルギー分野での新規事業や、発電所内で取り入れたDX事例を外販するなどして、新しいビジネスにつなげていけると思います。私は当社が北海道で地域密着している企業であるからこそ、これまで培ってきた知識やノウハウをお客さまに寄り添う立場でご提供していけるのではと考えています。
武内さん 私は水力部に所属していますが、水力発電所のほとんどが携帯電話の圏外エリアになるので、これまで社内電話による口頭での報告にとどまっていました。しかしながら、今ではDXを活用することで映像を使用することができるようになり、業務効率化につながっています。
齋藤社長 鎌田梢さんのお話で、DXの外販事例がありましたが、会社を良くしよう、変えていこうという気持ちは非常に重要です。また、デジタルやAIといった技術は既に私たちの世界に入ってきており、次のキーワードは「デジタル」だと思っています。社員の皆さんがデジタル人材としてのスキルを身につけ、会社全体としてレベルアップできるよう、引き続き当社を牽引してください。
座談会を終えて・・・
齋藤社長 皆さん、大変お疲れさまでした。皆さんが真摯にお話いただき、心打たれる場面がたくさんありました。総括として改めてお話させていただきます。
―最後までやり抜く力—
まず、荒川さん(火力部)や武内さん(水力部)から発電部門に関するお話がありました。当社の「なりわい」は電気事業で、安定供給が当社事業の「1丁目1番地」です。荒川さんの発表で安定供給に対する熱意についてお話いただき、その他の皆さんも社業に対する熱意を語っていただきましたが、この熱意は、当社を支えていく力となりますので、熱意の炎をいつまでも持ち続けてください。
私は、社員の皆さんには、熱意のほかに、「最後までやり抜く力」を持ってほしいと考えています。「最後までやり抜く力」は、あらゆる力の中で最も難しいものと考えており、熱意と「最後までやり抜く力」をもって、電力の安定供給を守り、それを支える間接業務やDXなどを組み合わせて、会社を支えてほしいと思います。
―改革は辺境にあり―
私は、当社は「縦割りの組織」だと思っています。それは、決して悪い意味ではなく、「責任を持って最後までやり抜く組織力を持っている会社」という意味です。ただ、大きく変化していく時代においては、欠点にもなり得ます。今ある会社・組織を超えていくには、隣の人と交わらなければならないと思っています。私は、「改革は辺境にあり」という言葉を好んで使っていますが、「辺境」は皆さん同士の間、私との間にも存在します。皆さんが今日集まったことで、「変革」の気持ちが生まれたと思います。「辺境」は社内で言えば部と部、課と課の間にあり、社外で言えば当社と社外の方との間にあります。さまざまな人と交流する機会を持ち、「変革」の意識を持てるよう心がけてください。
また、地域からしっかり信頼いただかなければ、当社の未来は描けません。泊発電所の再稼働や次のビジネス展開など、当社事業はお客さまの信頼があってこそ成り立つものです。お客さまの傍らに寄り添い、対話を重ね、当社を信頼いただけるよう努力を続けてください。
いま、当社は「成長」のチャンスを迎えています。私たちの1丁目1番地である「電力の安定供給」に対する熱意と、それに裏付けされた技術力をしっかり持って、変革するためにお客さまや地域の皆さまと対話を重ね、部門の垣根を無くし、向上心を持って、未来へ向かって進んでください。(了)
様々な部署の若手社員が集まり、社長と意見を交わすことで、北海道電力の将来を考える「社長と若手社員との座談会」。当社では、今後も様々なテーマで座談会を開催し、その様子をNOTEでご紹介します。今後もお楽しみに!